脳神経外科の歴史を繙くと、有史以前新石器時代に、すでに穿頭術が行われたことが判明しています。
人類の生へのあくなき願いで科学の進歩と共に、難しい脳の手術も今や格段の進歩をとげて参りました。
しかし病気の治療とはいえ、誰しも自分の躰をメスで切られることは、大きな恐怖を覚えるものです。
現在では、開頭術がすべてではありません。
ガンマナイフは、ガンマ線を使って、まるで脳の病変をナイフで切り取ったように根治させる治療法のことであります。
正式名称は、Stereotactic Radiosurgery(定位的放射線手術)というもので、従来の開頭手術では困難と考えられてきた脳深部に存在する脳腫瘍や脳動静脈奇形等の治療に、周囲の正常な脳組織を傷つけることなく、脳の病変を治療するものであります。
近代、脳神経外科の傾向は、一般外科においてもそうであるように、機能を温存し、”生活の質"を守りながら、侵襲を最小限に抑えることにその主眼がおかれています。
当院のレクセル・ガンマナイフは非侵襲性治療に特化して、高い精度と効率性、何よりも優れた治療効果をもたらし、患者様は全身麻酔の必要性がなく、短時間で痛みを伴わない快適な環境の中で、音楽を聴きながら、治療を受けることができます。
また、長期入院の必要性がなく、通常3日程度で退院が可能です。
このため、本人の肉体的、精神的負担はもとより、ご家族の経済的費用対効果の点からも、大変優れた治療法です。
一方、開頭手術に伴う感染症をはじめ、術後合併症が少なく、中・長期の入院、リハビリも必要としない最先端の治療であります。
人口の高齢化に伴う癌の患者様も、今後ますます増えることが予測されます。
今日、ガンマナイフによる治療法は、世界各国の主要な病院で日々行われ、毎年およそ70000人の患者様が治療を受け、他の放射線治療に比べ、群を抜いた実績を挙げています。